PROJECT リッジアイの現場で使えるAI開発事例
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ごみ種別認識AI自動運転クレーン開発|ごみ焼却施設利用
AIを活用してごみ質を認識する仕組みを荏原環境プラント株式会社様と共同開発しました。この技術は、ごみピット内の多種多様なごみをカメラで捉え、AIによって撹拌状況などを識別し、高度制御装置でピット内のクレーン操作判断を行い、クレーンを自動運転するものです。この自動化開発にあたっては、撹拌状況を判断する「運転員の眼」を代替することが重要課題でしたが、ディープラーニングを用いたごみ識別AIの開発し成功しました。
プロジェクト概要
- ごみ質をピクセル単位で認識し、ごみピット内のクレーン稼働時間の9割を自動化
- 熟練オペレータのノウハウを再現
- 千葉県船橋市のプラントで無事故稼働中
プロジェクト背景
ごみ焼却施設では、排ガス性状やごみ発電の安定化において燃焼の安定化は重要です。そのためピット内のごみ性状を均一化する撹拌や、特殊ごみの退避等のクレーン操作が必要になります。
現在は熟練の運転員が視覚的にごみ性状を認識し、適時クレーンを操作し燃焼の安定化を図っていますが、燃焼安定化のために運転員のスキル差や将来に向けた人手不足対策として人に依存する作業の低減が必要と考え、人に依存しないクレーン作業の自動化の開発を進めてきました。
プロジェクト内容
今回のプロジェクトでは、カメラで捉えたピット内のごみ状況を、AIでごみの撹拌状況などを識別し、高度制御装置でピット内のクレーン操作判断を行い、クレーンを自動運転する流れに着目して共同開発を行いました。
その結果、ごみ袋の破れ具合などをピクセルごとに見極め、その内容物まで把握するAIを利用して、よりごみ状況を精緻に識別可能にしました。このことから、従来の自動クレーン操作では困難であった「燃焼に適したごみを識別した上で炉に投入する」動作や、「特殊ごみ(大量に炉に投入すると機器や燃焼に悪影響の出るごみ)を識別し適切に対処する」ことが可能となりました。
プロジェクト後の成果
運転員の監視を必要としないクレーンの自動運転時間は全体の16%でしたが、AI自動運転クレーンシステムを取り入れると、約5倍の89%にまで改善しました。
プロジェクト成功のポイント
運用開始に至るまでに、荏原環境プラントが培った長年のごみ焼却運用のノウハウと課題意識、そしてリッジアイが保有する最先端の画像解析ディープラーニングの知見と可能性を共有し、度重なる検討を行いながら、開発過程でのフィードバックをアジャイルに取り入れて改善を重ねることで、ベテランの運転員目を代替するレベルのAIを実現しました。