PROJECT リッジアイの現場で使えるAI開発事例

衛星データ解析を自動化するAIエージェント 「Zeus」

人工衛星データAI解析サービス

衛星画像解析の運用現場では、データの選定・取得、前処理、解析モデルの適用、結果の整理・レポーティングまで、多くの工程に専門知識と人手を要します。モニタリングの高頻度化や解析対象の拡大に伴い、この運用負荷は増大し続けています。 「Zeus」は、これらの解析ワークフローを自然言語の指示で自動実行するAIエージェントサービスです。

サービスの特徴

  • 解析ワークフローの自動化

ユーザーの自然言語による指示に応じて、衛星データプラットフォームからのデータ取得、解析目的に応じた前処理、AIモデルによる解析、結果のレポート出力までを一貫して自動処理します。従来、解析パイプラインの構築・運用にかかっていた専門人材の工数を大幅に削減します。

  • 主要な衛星データプラットフォームとの連携

JAXA Earth API1)、Google Earth Engine等と接続し、光学・SAR・気象データなど目的に応じた最適なデータの検索・取得を自動で行います。

  • お客様データとの統合解析

衛星データに加え、地上センサーデータや管理台帳等、お客様が保有するデータと組み合わせた解析にも対応します。複数のデータソースを統合することで、衛星データ単体では得られない知見の抽出を支援します。

  • 解析スキルの柔軟な拡張

物体検出・変化検出・土地分類等の各種解析モデルを、エージェントのスキルとして組み込むことが可能です。別ソリューションである「Ridge SAT Image Analyzer」で構築したオリジナルモデルの組み込みにも対応しており、解析目的の変化や対象領域の拡大に応じて柔軟にスキルを追加できます。

活用イメージ

1.衛星データ(JAXA Earth API)の取得 (デモ動画を再生する)

質問 「2020年 1 月 1 日の関東の地表面温度の最大値を教えて。」

回答 「2020年 1 月 1 日の関東地方(東京を含む)の地表面温度の最大値は、約 12.8 度です。GCOM-C 衛星のSGLI(Second generation GLobal Imager)によってキャプチャされた地表面温度(LST)データを解析した結果、関東地方の最高気温は約 12.8 度であることがわかりました。」

AI エージェントの動作

JAXA Earth APIからGCOM-C衛星のLSTデータを自動取得し、関東地方を対象に解析を実行

図1:回答とともに取得した森林非森林、降雨量、地表面温度などのデータマップが表示される

 

2.衛星画像の取得と可視化

質問 「2020 年 1 月のシンガポール海域付近の様子は?」

回答 「2020 年 1 月のシンガポール海域付近の様子を見せることができます。以下は、シンガポール海域付近の位置に撮影された衛星画像です。」

図2:回答とともに取得した衛星画像

実績

JAXAとの共同研究において、地球デジタルツイン構築に向けたAI技術の実証に取り組みました。本取り組みで開発したAIエージェントは、JAXAの地球観測データとAI連携の実証においても活用されました。

1)JAXA Earth API: https://data.earth.jaxa.jp/