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働く時間とお金の話

2017年8月22日 CEO

代表の柳原です。Ridge-iで実現したいカルチャーなどを伝えられればと思い、会社の福利厚生や労働制度についての考えを書いていきます。

Ridge-iで用意している福利厚生や仕組みは、今まで私が大手企業で働いてきて最もいいと思えるもの、さらにはこうだったより働きやすかったのに、と考えられるものを導入しております。

その中でも、まずは働いている人の生活に最も影響する「労働時間と報酬」についてです。


裁量労働制とは

弊社では「裁量労働制」というベンチャーには珍しい仕組みを導入しています。 これは労働時間すらも自分で管理できる、フレックスタイム制度よりもさらにプロフェッショナルに向いた制度です。

フレックスタイム制度は、コアタイム(例えば10:00-16:00)にオフィスにいれば、勤務開始時間と終了時間は自由という仕組み。1日の総労働時間として7時間30分から8時間は最低働く必要があります。

裁量労働制は、コアタイムや総労働時間の縛りも殆どなく、例えば12時に来て16時に帰っても1日働いた、とみなされる制度です。労働時間すら個人の裁量に任されています。

 

労働時間と報酬について

労働時間が決まっていないので、早退という概念がなければ、残業という概念もありません。

正社員の給料は

一定の残業時間分を含んだ年棒+業績に応じたボーナス

となっています。

(タイムシートは管理するので、もちろん残業時間の超過や、深夜や休日の割増賃金は払います。)

 

もし成果が同じなら残業するほど時給は下がります。なので、時給を重視する人ならば、成果を問わず早く帰ろうとする負のインセンティブが働く可能性があります。

そのため、きちんと成果が出るまでやり遂げてくれるはず、という従業員への信頼がないと成り立たない制度です。

最初は正直不安はありましたが、結果をみると杞憂でした。

制度を導入してからの従業員の労働時間を見ると、オフィスにいる間はより集中して取り組み、成果は維持・向上しながらも、他企業と比べて残業時間はかなり抑えられていると思います。

プロジェクト締め切り間際の繁忙期や閑散期などで濃淡はありますが、全体として8~11時が出勤時間帯、17~20時が退勤時間帯です。

日によってはとても早く帰る人もいます。例えば

「家族が上京しているので16時ころ帰ります。」
「ちょっとジムに行くので1時間抜けます。」
「宅急便が来るので一度家に帰って、リモートでやります」

みたいのも自由にできるカルチャーができつつあり、目的は実現できつつあるかな、とみています。


導入した背景

まず、こちらの制度を入れた理由としては、

・個々人の生活にあったワーキングアワー
・ラッシュアワー出勤の回避(サラリーマン生活で大きな毎日のストレス)
・プライベートの離席・早出・早退を気軽にできる自由な環境

を作りたいという気持ちがあります。

子育て中で保育園に毎日行くパパリーマンと、シングルの若手エンジニアでライフスタイルが違うのは当然です。
それを一律の勤務時間で縛ると、どちらかに不利がうまれます(もしくは全員にとって中途半端)。

しかし会社の制度を個々人に用意できないので、現時点では、裁量労働制が最も適した最大公約数と判断しています。

また、わたしが今までよく見たのは、仕事が早い優秀な人たちが、「プライベートの用事があって、仕事も終わって早く帰りたいのに、周りがいるので帰りずらい。早退申請も面倒だし。。」と迷っているシーンです。

そのような気持ちでオフィスに残るよりかは、メリハリをつけて「よく働き、よく遊ぶ」ができる環境を作りたいと思い導入しました。

 

時間より成果を評価

また、会社として「成果」を重視している、というメッセージでもあります。

・時間ではなく成果を評価
・成果を出すうえで、個人が最も働きやすい方法は皆違う
・制度をハックするような人はそもそも採用しない。
(成果を出さずに、ただ早く帰ろうとする人)

通常の残業代のように労働時間が給与と紐づくと、やはり長くオフィスに残るインセンティブが働きます。
しかし、労働時間は「頑張っている」指標になるかもしれませんが、やはりビジネスの基本は「何を価値として提供したか」「顧客が満足したか」です。

レストランでどれだけ仕込みに時間をかけても、おいしくなかったら価値ゼロ。対価は生まれません。


しかし大きい会社になると、アウトプットとその評価(客がうまいと思っているか)が見えずらいため、客と接していないチームは、その「チーム内で頑張っているから」といった事を評価するバイアスがかかりやすい。それがこじれると、上司の前で態度が変わる、などが始まります。

また、決められた時間で最大限のアウトプットだすという、効率性を追求するモチベーションが下がってしまうのも問題です。

こういったデメリットを考えると、時間ではなく成果を評価します、という姿勢は、ベンチャーのように個々人のアウトプットの質が業績に直結する世界(しいては会社の運命)では特に重要だと考えております。

 

ちなみに成果主義の報酬を詰きつめすぎると、出来高払いの不動産・保険営業のように、短視野な行動原理に陥ってしまいます。

しかし、すぐに成果・評価のでない長期間の研究開発も会社というチームプレイではとても重要で、成果が発生するタイミングの見極めと給与のバランスが経営のうえで重要なポイントの一つだと考えています。

 

同一労働・同一賃金は単純作業の世界

余談ですが、新聞で「同一労働・同一賃金」というフレーズはよく出ますが、これはシンプルなタスクには適用できても、ほとんどのビジネスで不可能なコンセプトだと思っています。

時間や作業量など、定量的な評価ができる単純な労働は、すでにクラウドソーシングなどの市場原理で単価がきまり、同一労働・同一賃金は実現されています。しかし、複雑なタスク、例えばプロジェクトマネージメントだと、期限内に終わらせる、といった定量評価はプロとしてもちろん達成しているので、やはり成果の評価軸は質となり、ここは定性評価がメイン。しかも、まったく同じ仕事なんてまずあり得ません。

プレゼン一つとっても、パワーポイントの評価は枚数ではなく、中身の質です。

そのため、質 が勝負となる世界では、同一労働はありなく、結果、同一賃金も定義しえない、と思っています。

正社員と非正規の雇用格差をなくそう、年功序列をなくそう、というのは至極最もな流れですが、それを実現するためにこのキーワードを使うのは適切ではない、と考えています。

 

リモートワークについて

また、裁量労働と合わせてよく上がる議題、リモートワークについては、上長承認を必要としています。
完全な自由裁量にはしていません。

チームワークは非常に重要で質に直結しており、Face to Faceで密に議論をしないと会社・製品として良いものは作れない、と思っているからです。ですので給料に含まれている期待している成果の一部として、会社に来ること、というのが入っているのです。

リモートワークについては、いい面悪い面がたくさんあるので、別途書いてみたいと思います。

 

さいごに

裁量労働制という自由な仕組みは、成果への責任感が強い人だからこそ成り立っています。
そして、自分自身にあった最も成果を出せるワーキングスタイルを見つけるには、弊社は働きやすい環境だと思います。ぜひ、こういった環境で働いてみたいという方はぜひご連絡ください。