こんにちは、Ridge-i(リッジアイ)の採用担当です。
リッジアイでは、【Ridge-i University ~Adviser Session~】を開催しております!
先日は牛久先生による特別講義をレポートいたしました。
今回は小野先生の特別講義の様子をお届けしていきたいと思います!
Ridge-i Universityとは
リッジアイで週に1回程度開催される、共同研究や技術顧問をして頂いている先生方からRidge-iの社員へ様々な知見をご共有いただく勉強会です。
講演者紹介
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程にて信号処理/画像処理アルゴリズム・数理最適化の研究に従事。修了後、同大学像情報工学研究所助教、科学技術創成研究院 未来産業技術研究所助教、JSTさきがけ研究員を歴任後、2019年4月より東京工業大学情報理工学院 准教授に就任。再び2021年10月よりJSTさきがけ研究員を兼任し、現在は主として信号処理、数理最適化、センシングデータ解析の研究に従事。
今回のテーマは「スパース信号処理と最適化」についてです!
スパースとは、例えばCTスキャンの画像など、データ中の一部が大きな値を持っており、それ以外のほとんどが0に近い値で構成されているデータを指します。一次微分フィルタで画像の輪郭抽出を行った画像もスパースなデータになります。
物体検出(画像処理)やノイズ除去(画像処理)においては、深層学習のアプローチが一般的ですが、スパース信号処理と最適化を活用すると、下記のような利点があります。
- 学習データの入手が難しい場合、もしくは、入手できてもノイズ等で品質が悪く学習の精度が上がらない場合に、威力を発揮することができる。
- 深層学習はブラックボックス化しやすく、説明性や解釈性が乏しい。一方で、最適化手法を用いるとモデルが何をしているか説明しやすく、モデルの信頼性を担保することができる。
- 精度を向上させる際に、明示的にモデルを扱うことができる。
スパース信号処理と最適化は、例えば画像のノイズ除去で威力を発揮します。
きれいな画像の場合、一次微分フィルタをかけるとほぼ黒画像(左側、スパースなデータ)が得られますが、ノイズが乗っている画像では近隣画素で飛び飛びの値を取ることが多いため、一次微分フィルタをかけると白黒のノイズ画像(右側、スパースではないデータ)が得られます。
スパース信号処理と最適化においては、これらの特性の違いに着目してノイズ除去などの画像処理に活用することができます。
スパース信号処理と最適化の活用についての紹介です。 このように、左側のオリジナル画像をノイズ除去することで、右側の画像のようにきれいにすることができます。
講義では、スパースなデータの扱い方や最適化手法について、より踏み込んだ内容で講義をしていただきました!
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
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