AI・ディープラーニング技術のコンサルティングと開発を行う株式会社Ridge-i(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柳原 尚史、以下「リッジアイ」)と、3次元計測ビジネスのトップランナーのクモノスコーポレーション株式会社(本社: 大阪府箕面市、代表取締役:中庭 和秀、以下「クモノス」)は、AIによる点群ノイズ除去の自動化に向けた共同開発※1を進め、このたび、50%以上の工数削減※2を見込むAIの開発に成功しました。
これにより、これまでデータの取得から提供までに平均10日を要していたものが、最短4日で提供可能になりました。
また、AIの成長に伴い、今後さらなる処理の高速化を見込んでいます。
1.点群ノイズ除去自動化AI 『ANJU』 について
デジタルツインデータは、3Dレーザースキャナ(以下、LiDAR)やMMS(モービルマッピングシステム:車両など移動体にLiDARを搭載して計測する)、ドローンなどで対象物を計測して得た3D点群データに対し、データ合成やノイズ除去等の処理を行って生成します。(ノイズ:対象物以外の、意図せず計測されてしまう通行人や車、埃などの様々なデータ。ノイズの詳細については別紙参照)
このたび開発したノイズ除去自動化AI 『ANJU』 は、このうちノイズ除去作業を自動化させるAIです。
従来は、技術者が専用ソフトを使って、取得した3D点群データからこれらのノイズを手作業で除去しており、街やプラント等の大規模データの場合、データの取得から提供までに平均10日を要していましたが、この作業を『ANJU』により自動化した結果、50%以上の工数削減を実現し、最短4日で提供可能になりました。
LiDARの計測データ(赤点がノイズ)
2.開発成果
クモノスとリッジアイでは、デジタルツインデータの提供までにかかる工程の中で、最大のボトルネックであったノイズ除去作業に着目し、「ノイズ除去処理の自動化AI」の共同開発プロジェクトを進めてきました。
今回、リッジアイの最先端のAI実装力と、クモノスが保有する国内最多の点群データおよび高品質なノイズ除去業務のノウハウを組み合わせたことで、3D点群業界初※3の大規模点群データに対するノイズ除去を可能としたAIとして 『ANJU』 の研究開発の成功に至りました。
『ANJU』を利用してノイズ除去を行った点群データ例
ノイズ除去自動化AI 『ANJU』 概要
●サービス名:点群ノイズ除去自動化AI 『ANJU』(アンジュ) |
3.今後の展望
今後、リッジアイとクモノスは、ノイズ除去自動化AI『ANJU』を活用し、Virtual Visit※4の展開と合わせて、他事業者のノイズ除去作業の請負を開始します。
『ANJU』は、点群データを処理するにつれ学習が進みAIが成長するため、今後さらなる処理の高速化が見込まれます。データ納品の期間と品質を圧倒的に改善することで、業界全体のデジタルツインの加速化に向けて共同事業化を進めていきます。
※1:2022年3月17日付リリースより https://ridge-i.com/news/3491/
※2:クモノスでの実作業における検証比較の結果
※3:クモノス調べ(2022年7月5日現在)
※4:建物内部から街並まで、3Dスキャンでバーチャルリアリティを実現するサービス “VIRTUAL VISIT” https://virtual-visit3d.com/
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