PROJECT リッジアイの現場で使えるAI開発事例
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水処理施設の映像監視AI ~熟練者と同等の判断基準をAIが自動認識~
油水分離処理工程(工場などから廃棄された廃油を油と水に分離する中間処理)において、処理後の廃油を移送する際に熟練者がその性状を判断します。まれに油が混入することがあり、その状態に気づいたタイミング(=異常状態)で手動でポンプを停止する作業を行います。 熟練者しか見分けられないような廃油の状態を、DeepFireで分析した結果、目視確認と同じタイミングで異常検知に成功し、ポンプの停止タイミングのアラートを出すことに成功しました。
プロジェクト概要
- 主観的に判断することが多い「液体」「粘性」の状態を定量化させる
- 正常状態の動画だけで異常判定モデルを開発
- 熟練作業員と同精度の異常判定に成功
プロジェクト背景
多くの水処理施設では、現場の作業員が液体の状態を監視し、異常が発生した場合には迅速に対応しなければいけません。
産業廃棄物の処理を行う株式会社ミダック様では、工場から廃棄された廃油を油水分離する中間処理において、表面上の油が多く混入したタイミングで異常状態とみなし、手動でポンプを停止させる必要があります。
熟練の作業員が現場で液体の状態を見ながら常時監視を行っているため、作業員への負荷が課題でした。さらに、一見区別がつかない液体などの異常判定は属人的に行われており、他業務を対応している間に異常を見逃してしまう可能性があります。
プロジェクト内容
今回の正常状態の映像のみを学習データとして使用し、時系列における”正常らしさ”をスコアリングするAIを開発しました。これにより、一定の値を下回ったタイミングで異常を検知することができ、ルールベースでは難しかった液体の状態判定が可能となります。
映像データから異常状態の自動検知が可能となったことにより、人による常時目視を必要とせずに、ポンプ操作を自動で行うことができるようになります。人による判断基準を標準化および定量化することで、常時監視業務の自動化により業務効率化が可能となり、より高度な研究や開発業務等に人員を配置することが可能となります。
お客様の声
ミダック本社事業所所長 松本徹様よりコメント
これまでは作業員が処理後の廃液移送のポンプ稼働中に常時監視を行う必要がありましたが、実証実験を通じて熟練者と同等のタイミングで異常の状態を検知でき、この精度は現場で使用可能なレベルと考えております。本技術を現場へ導入することで、人手不足や無人化などの課題を解決できると考えています。