代表の柳原です。Ridge-iをどのようにしていきたいか、どのようなバリューを出していきたいか、についての話です。
Ridge-iが提供するバリューを考えるとき、対顧客、対社会、対従業員、対株主と様々ありますが、
まずは対従業員よりの目線ですと
・大企業の良さとベンチャーの良さを両取りした会社でありたい
・プロフェッショナルファームでありたい
・社員が退職するときに「この会社で成長できた」と実感できるようにしたい
・ビジネスと技術どちらも追求し、価値を提供し続ける仕組みを作りたい
という想いが強くあります。
この内容についてきちんと検討するには、プロフェッショナリズム、学問とビジネスの両立、専門性の追求とRidgeの追求、創る・作る・売るのメカニズム、静的な戦略(PPM,4P,3C)と動的な戦略(RBV,Agileなど)のジレンマ、など複数のトピックを考える必要があります。
まずは今回の投稿では、大企業(日系、外資)とベンチャーの良さ・悪さの違いについて話したいと思います。
私自身のキャリアを少し補足すると、大学を卒業するとき、起業するか就職するかで悩んだのですが、以下のような疑問から10年位大企業に就職して経験を積む事に決めました。
■大学4年の時の悩み
・社会を動かすようなインフラの仕組みや、大企業がどう動いているかを見るべきではないのか?このまま起業しても、中小企業を超えられないのでは。
・労働集約型から、知識集約型に切り替わるときに、実家ビジネスモデルが正しいとは限らない。新しいビジネスモデルと組織を知りたい。
・なにより最先端の技術とスケール大きい事業に携わり続けたい。どうすればよいのか?
ほぼほぼ私のキャリアパスは、上記の関心に答えるにあったと整理できます。
就職先を選ぶときに、ビジネスの規模、会社の規模、技術の強さ、当時の関心事(通信と金融)で判断していました。
(補足しますと、ブラックロック(世界最大の資産運用会社)、HSBC(入社時点でForbes 1位)、NTTコミュニケーションズ(入社当時グループの評価額が国内1位)でした)
そして国内外の大企業がどう動いているのだろう、というのを中から見ていました。
大企業とベンチャーのそれぞれの良さ
まずは日系の大企業の良さについてです。
■大企業ならではの良さ
・ブランドという安心感、承認欲求が満たされやすい
・携わるプロジェクトの規模、インパクトが大きい
・ポジションの優位性(基本、発注側)
・潤沢かつ安定したキャッシュフロー、失敗の許容度
・専門性の磨きやすさ、中長期的な研究投資
・優秀な人材、多様な人材と仕事出来る
・給与、福利厚生などの充実
・培ったビジネスノウハウ、知識へのアクセス
・トレーニングの充実(特に新卒に有効)
あたりが代表的でしょうか。
次に外資としての良さはこの辺りだと思います。
■外資ならではの良さ
・成長を前提とした環境
・インセンティブの高さ、成果と対価
・グローバルレベルで優秀な人と働ける
・世界に共通するビジネススキームを学べる
・多様を前提としたカルチャー
・英語ベースでのビジネススキル醸成
私がいたブラックロックも含まれると思いますが、マッキンゼー、ボストンコンサルティングなどの有名な外資企業はプロフェッショナルファームと言われております。
野球チームやサッカーチームが想像しやすいですが、プロフェッショナルのみで構成された集団ですね。
個人プレーヤーの成長速度は、外資3倍速といわれてまして、国内外の会社を経験した実感からしても、まぁその通りかも、と思うのですが、
一番の違いは「ついていかないと切られる」「パフォーマンスが最優先」というプレッシャーです。
成果主義を基本とした待遇の良さも魅力ですが、日系企業にはないスピードで成長できる環境だと思います。
ただし、米国企業のドライさと、会社命令の絶対さは、日本企業の比ではありません。
上司に意向に逆らっても守ってくれる労働組合も法律もなく、合わないなら出ていく(もしくは出ていけ)、というトーンです。
日系企業と比べると、基本的にハイリスク、ハイリターン(給料+成長)があるので、個人のリスク許容度に応じていい会社かどうかの評価は分かれると思います。
(とはいえ、昔はハードワークが当たり前でしたが、かなりマイルドになっていると聞きます。)
個人的に、ブラックロックで一番良かったのは、「優秀な人たちと働けた」という経験です。やはりこれは醍醐味です。
またプロジェクトの規模も数10兆円の資産運用システムを構築という、かなりやりがいがあるものでした。
一方、実家での経験とRidge-iでの4年の経営を通じて、中小・ベンチャーの良さも複数見えてきました。
■ベンチャー、中小企業の良さ
・ビジネスのサイクル、経営センスを直に学べる
・顧客フィードバックの近さと迅速な対応速度(創る・作る・売るの密接差、価値提供の実感)
・行動ありきのマネージメントになれる(ドラッカーの言うExecutiveになれる)
・オールラウンダー能力がつく(なかば強制だけど)
・SO、タイトルなど、リスク、リターンの大きさ
・ビジネスを創る、というチャレンジングなやりがい
なにより違うのが、1人の人が見るべき行動責任の範囲の広く大きいことで、大企業ではほぼ味わえない経験です。
ビジネスサイクルを直に経験するようなポジションに立てば、外資3倍速だとしたら、ベンチャー5倍速位の経験をつめると思います。(その分しんどいですが)
■もちろん悪い面もある
上記では、良い面を書きましたが、その反面として悪い面も沢山あります。
書ききれないですが、以下が代表的なところでしょうか。
■日系大企業の悪さ
・政治力、チームマネージメント力の評価に偏重
・画一的な給与体制、遅すぎる昇格システム
・研究開発と営業組織の縦割り分断(顧客フィードバックが全く開発に戻らない)
・減点主義による、事なかれ体質
・マーケットフィードバックが内部に浸透しない、ゆでガエル化
■外資の悪さ
・Up or Out (MD,パートナーレベルに行かないと、徐々に居場所がなくなっていく)
・出来るかできないかの価値観(ダメレッテルを貼られたら行き場がない。)
・日本支社は、海外の本社からの指示待ちが多い
■中小、ベンチャーの悪さ
・社長に振り回される
・ブランドがない(家族からの不安。承認欲求が満たされない)
・給与が低め、福利厚生が整っていない
・キャッシュフローの脆弱さ
・規模、インパクトの小さいビジネス(やりがいが少なくなりがち)
・常に足りないリソース
・優秀な人と触れ合う機会が限定的
・ビジネスの作法がなっていない
■大企業とベンチャーの良さを両取りするために
以上のように、どんなものにも良い面と悪い面があり、良さのみを取る事も難しいのは当然でしかも両取りするというのはかなりチャレンジングです。
うまくバランスを取りつつ、時にはユニークな仕組みを作る必要があり、Ridge-iでは色々と試行錯誤をしています。
■Ridge-iが両取りしたい良い所
・外資プロフェッショナルファームと同じ水準の 優秀な人と仕事出来る、学びあえる楽しさ
・日系大企業より魅力的な待遇、外資ファームよりドライじゃない評価
(日系企業と同じ給料 + SOや成果報酬によるインセンティブによるアッパーの選択余地)
・外資ファームと同じ水準での顧客価値の提供
・マネージメント力、技術力など複数の能力が評価される、画一的でないキャリアパスとポジション(マネージメントトラック、エキスパートトラック、エンジニアトラックの3種を用意)
・ベンチャーならではの、経営・ビジネスの近さを皆が学べる仕組み (エンジニアが顧客MTGに同席、経営会議への同席など。)
・大企業レベルで、承認欲求を満たせるようなブランドの構築 (まだ出来ていない。。)
・大企業レベルで安定したキャッシュフローと、ベンチャーならではのチャレンジングなプロジェクトのバランス (まだ出来ていない。。)
・研究開発とビジネス組織が融合された、新しい仕組み(創る・作る・売ると顧客FBが実感できる、小さなユニットと垣根のない融合)
・大企業レベルでインパクトの大きなプロジェクト機会を提供 (社会インパクト、技術インパクト、マーケットインパクトの3視点で評価)
・外資とベンチャーの良さである、評価と報酬の柔軟さ
このような取り組みを通して、
・大企業レベルの、ビジネスのやりがい、給与、承認欲求を得つつ
・外資ファームレベルの、グローバルレベルで優秀な同僚と働く楽しさを得つつ
・ベンチャーならではの、リアルなビジネス経験を培える
そんな企業を創っていきたいと考えています。